2024/04/23
フリーランスで仕事をしている人がマレーシア移住で税金をゼロにすることも可能という記事を公開しました。
これに対して、「この節税スキームが当てはまるのは1億円以上稼げるような一部の人だけでは?」というコメントを頂きました。マレーシア移住のハードルが高いと思われてしまったようです。
そこで、マレーシア移住の実際を知るため、マレーシアにある日系不動産会社エリッツインターナショナルのマネージングディレクター好井有一郎様にお話をうかがいました。
日本人が住むエリアは、ほぼ二択!
OWL:クアラルンプールで日本人が多く住んでいるエリアはどこでしょうか?
好井:一つ目は郊外の高級住宅地であるモントキアラ、二つ目はクアラルンプール都心。日本人はこのどちらかに住んでいる人がほとんどです。
子連れで住むならモントキアラ!
好井:モントキアラは、都心から約15km離れた高級住宅地です。東京駅から自由が丘とか田園調布くらい離れています。日本人も多く使うスーパーマーケットや日本料理店がありますから日本人には便利です。また、インターナショナルスクール、日本人向けの塾や習い事も揃っています。極端な話、日本語だけでも生活できます。ですから、お子様と一緒にクアラルンプールに来る方にはモントキアラがベストでしょう。
OWL:高級住宅地で何でも揃っているとなったら、完璧ですね。
好井:残念ながら、飲んだりショッピングしたりを楽しむには、少し物足りないです。
OWL:都心に出て楽しめばよいのでしょうけれども、地下鉄やモノレールが通っていないから、都心に出るのも少し不便ですね。
好井:道が空いていれば20分くらいで都心に行かれますが、道が混んでいると1時間くらいかかります。運賃が安い地下鉄やモノレールがあると、低所得層が来てしまうから、あえて作らないと言われています(苦笑)。
(緑豊かな高級住宅地、モントキアラ)
単身やカップルなら都心でクアラルンプール生活を楽しめ!
OWL:もう一つの日本人居住エリアである都心は、クアラルンプールの生活を楽しみたい方にお勧めということでしょうか?
好井:はい、お子様と一緒に暮らす方であればモントキアラがお勧めですが、単身やカップルの方であれば都心の方が楽しめますね。
OWL:都心の中で、クアラルンプール生活を楽しみたい人におすすめのエリアはありますか?
好井:クアラルンプール一番の繁華街であるブキッビンタン駅周辺に行きやすいエリアですね。高級なレストランがある一方で大規模な屋台街も近くにありますし、日本食の店も多いですから、食事や飲みを楽しむにもぴったりです。また、ルイヴィトンやエルメスなどの高級ブランドのショップから伊勢丹やDON DON DONKI(ドン・キホーテ)までありますから、ショッピングを楽しみやすいです。DON DON DONKIは、生鮮食品や日本から輸入した食材も比較的安く売っていますから、使い勝手が良いと思います。
(ブキッビンタン駅周辺は、高級ブランドショップから屋台街まである懐の広い町)
クアラルンプールのタワマン、家賃10万円くらいからとお手頃!
OWL:モントキアラも都心も、それぞれの良さがありますね。そうすると、気になるのは家賃なのですが。
好井:まず、モントキアラですが、ファミリー向けの物件が多いため、1ベッドルームの部屋は少なく、2ベッドルーム以上の部屋がほとんどです。建物の新しさやロケーションによって家賃は変わってきますが、2ベッドルームの部屋で、3,500リンギット(約11万円)からあります。
OWL:モントキアラの日本人は駐在員の方が多そうですが、駐在員の方々はどれくらいの家賃の部屋に住んでいる人が多いでしょうか?
好井:家賃補助で8,000リンギットくらい出ている会社が多いためか、8,000リンギット(約25万円)くらいの部屋に住んでいる人が多いと思います。この価格帯ですと、かなり築浅で広い物件があります。
OWL:タワマンというと色々な設備を期待してしまうのですが。
好井:スポーツジムとプールはどのコンドミニアムにもありますし、セキュリティの方も常駐していますので、快適で安全な生活を楽しめますよ。
(モントキアラにある「Agile Mont Kiara」、外観とリビングルーム)
OWL:一方の都心はどうでしょうか?
好井:都心は単身やカップルの方が多く住んでいるので、1ベッドルームの部屋からあります。建物の新しさやロケーションによって家賃は変わってきますが、1ベッドルームの部屋で、2,500リンギット(約8万円)からあります。都心でも、スポーツジムとプールはどのコンドミニアムにもあります。
OWL:家賃を高くすれば、よりアッパーな暮らしを楽しめるのでしょうか?上を見ればキリが無さそうですが。
好井:そうですね、家賃10,000リンギット(約32万円)くらいの部屋に住んでいらっしゃる方が、契約更新のとき、部屋が広すぎて使いきれないと言って、家賃8,000リンギット(約25万円)くらいの部屋に移ってしまうこともあります。家賃8,000リンギット(約25万円)くらいの部屋を選ぶのが、一番満足度が高いと思います。
(都心にある「Pavilion Ceylon Hill」、プールとリビングルーム)
クアラルンプールの住み心地
OWL:セミリタイヤの方などは、クアラルンプールを選んで移住してきた訳ですが、シンガポールやバンコクと比べてクアラルンプールが選ばれる魅力は何でしょうか?
好井:マレーシアとシンガポールと比較する方はいらっしゃらないと思います。物価水準が違いすぎますので。でも、バンコクと比べてクアラルンプールを選んだという方は結構いらっしゃいますね。
好井:正直に言って、食事はマレーシアよりタイの方が美味しいと思います。でも、マレーシアには、マレー系・中華系・インド系が共存しながら社会がまとまっている、多様性から来る寛容さがあると思います。マレーシアが好きになって住むようになり、住んでますます好きになる方が多いです。
(エリッツインターナショナルの好井様)
インタビュー後記
不動産会社の方というと、「押しが強くて売り込まれそう。」という警戒する方もいらっしゃるかもしれません。
でも、好井様は、お客様のメリットにならないものはお勧めしないとハッキリおっしゃる方でした。
言葉もカルチャーも違う海外だからこそ、頼れるプロフェッショナルに相談することをお勧めします。