2015/09/23
香港でビジネスを始める場合、トラブルに陥りビジネス失敗の原因となる最大の事由は、不動産賃貸借でしょう。
前回、オフィスを借りた場合のトラブルと商業物件を借りた場合のトラブルを一例ずつ紹介しました。
あえて言えば、オフィスは契約内容が気に入らなければ、他の物件を借りても良いと思います。オフィスのロケーションによって会社の売り上げが大きく変わるということはあまりないと思いますので。
しかし、店舗の場合、ロケーションによって売り上げがまるで違ってきますので、他の物件に変更しよう、という訳にはいかないと思います。
そこで、店舗などの商業物件を借りる場合、契約書にサインをする前にチェックすべき項目を、幾つか挙げてみます。
(契約書の写真はイメージです。)
XXXX年X月X日を物件の引き渡し日と設定しておきながら、「XXXX年X月X日に物件を引き渡せない場合には、賃貸借契約は自動的に終了、デポジットは利子を付けずに返還。」という条文が入っているケースがあります。
この特定の物件が気に入って契約し、そこでビジネスを行うために準備してきたのに、「引き渡し不可能になりました。デポジットを返すからね、さよなら!」とか言われても納得できないですよね。
「ケーキ屋を始めたいので、この物件を貸してください。」という場合、大家は契約書に、「テナントは、ケーキ屋の目的でのみ本物件を使用できる。」という条文を入れてくると思います。これは、厳しいとは言えず当然だと思います。極端な話、ケーキ屋を始めたいと言ってきた人が、その場所で風俗店を始めたら、ビルの雰囲気全体が変わってきてしまいますから。
でも、「大家は、この物件がケーキ店を営むのに適切であることを保証しない。」という条文が入ってくることがあります。ケーキ店を営む場合、とくに店舗内でケーキを焼こうとする場合、設備を入れなくてはなりませんし、そのための許認可も必要です。しかし、大家はそれらが可能であることまで確認していない、ということです。
テナント側が事前にチェックしておく必要がありますね。
(ケーキ店の写真はイメージです。)
この記事で挙げた2つの点は、予め条文内容をチェックしておけば、リスクを最小限にできる事柄だと思います。
香港は契約社会です。「形式的な書面だから取りあえずサインしておきましょう。」などという甘い考えでは足元をすくわれてしまいます。
契約書にサインする前にOWL Hong Kong Limitedにご相談ください。
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