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星野リゾート進出決定で注目の大阪・新今宮、「ドヤ街」との偏見を持たない外国人には魅力的な立地!

2017/03/10

2017年3月9日、星野リゾートが、大阪新今宮駅前の約4,200坪の市有地に、星野リゾートが新ホテルを建設することを発表。

日本のインバウンド観光業界・不動産業界を大いに賑わしました。  

弊社顧客(シンガポール人投資家)、星野リゾート建設予定地から間近のビル一棟を、2016年10月に購入!

この発表の約5か月前、星野リゾートによるホテル建設予定地から100mと離れていない場所にあるビル一棟を、香港在住のシンガポール人投資家が購入しました。弊社が、その購入手続きをサポートしましたので、その経緯の概要をお伝えしようと思います。

新今宮駅は、日雇い労働者が集まる「ドヤ街」のど真ん中!

大阪の人にとっては、「新今宮駅」と言うだけで伝わるでしょうが、大阪の人以外には、分かりにくいかも知れませんので、新今宮駅の説明からしましょう。 新今宮駅は、西成区と浪速区にはさまれた場所にあります。

この西成区には、有名な「あいりん地区」が広がり、日雇い労働者向けの簡易宿泊所が建ち並ぶ「ドヤ街」になっています。

実際、駅を降りると、小便臭は漂っているし、朝から安酒を飲む中高年男性がうろうろしている、そんな街です。

暴動が起こるなんて現代日本では考えにくいのですが、現代日本で暴動が起こる唯一の場所が、この西成。西成暴動は、1961年から2008年まで、合計24回を数えます。

星野リゾート建設予定地は、こうした西成暴動が発生したとき、機動隊が集結する場所だったといえば、雰囲気が伝わるでしょう。

シンガポール人投資家は、都心からの近さ、交通の便の良さ、値段が比較的安いことに着目!

こんな新今宮駅前ですから、シンガポール人投資家が、「このビル一棟を買いたい!」と言い始めたとき、相談を受けた周囲の日本人は皆、大反対でした。

ところが、このシンガポール人投資家は、新今宮のイメージが悪いということを全く気にしませんでした。

むしろ、JR線の新今宮駅目の前という一等地だ、南海電鉄に乗れば新今宮駅から難波駅まで一駅だし関西空港までも一本で行かれる、有名な通天閣も近い、しかも格安だ、という訳です。

正直、弊社日本人コンサルタントも、新今宮はお勧めできないけれども、本人がここまで強く買いたいというからなぁ、という感じでした。

絶対に買うという強い意志があるのであれば、この物件の良い部分を教えてあげようと、「すぐ隣に広大な市有地があって、ホテルを主な用途とする業務商業系施設の開発事業予定者を募集していますね。

ここにホテルができたら、一気に一等地になりますよ。」と励ましたのを覚えています。

外国人投資家は、その国の投資家とは別の視点で不動産を見てこそ、成功できる!?

正直、外国人投資家には、良い物件は廻ってきません。というのも、良い物件であれば、売主や売主サイドの不動産業者の身近な投資家に紹介するだけで、すぐに買い手がつくからです。

外国人投資家に買ってもらおうとすると、外国語での物件説明、(特に外貨規制の厳しい中国の投資家が購入する場合は)代金支払方法の手間など、いろいろ面倒なので、わざわざ外国人投資家に売ろうなどとは、考えません。 だから、日本の投資家と同じ目線で買おうとしていたら、外国人投資家は良い物件を買えないと思います。

(OWL香港の別記事「東京都港区の商業用不動産を中国人投資家に売却!その内幕は?」も参照ください。) 外国人投資家は、日本人投資家があまり興味を持たない物件の中から、独自の視点で良い物件を見つけて投資していくべきでしょう。

このシンガポール人投資家の場合、新今宮駅前を、ドヤ街・日雇い労働者などの先入観で見ることなく、中心地に近い、交通が便利、空港にも直結という別の視点で見たからこそ、日本人投資家と争わずに物件を得られたのだと思います。

また、星野リゾートの運営するホテルは外国人宿泊客が多いですから、彼らも、外国人投資家と同様、ドヤ街・日雇い労働者などの先入観で見ることなく、新今宮駅前を、一等地に建つホテルと見るのでしょうね。

(星野リゾートwebsiteより)

ただ、銀行の融資は受けにくいという難点!

日本の銀行は、基本的に、非居住者には口座を作らせてくれませんし、ローンも組ませてくれません。

とはいえ、最近は、良い融資先が無いこともあって、銀行の態度も変わってきたようです。

外国人による日本の不動産投資にも融資をするという銀行が、メガバンク・地方銀行問わず、増えてきているようです。

とはいえ、日本居住者向けに比べるとローンを認めてくれないのは勿論です。

日本非居住者の場合、その人の収入の大半は日本の外で得ているでしょうから、その財産から債権回収することは難しい、つまり、担保として取る不動産の価値を厳しく評価しなくてはならない訳です。

そして、不動産の担保価値は、その土地をいくらで売却できるかによって決まる訳ですから、外国人が独自の目線で価値を見出したか否かは関係ない、日本の普通の投資家にとって魅力的な物件かどうかで決まると言わざるを得ません。

当然、新今宮駅前の不動産では、(星野リゾート進出が決まった今であれば別でしょうが)銀行もなかなか金を貸してはくれません。 新今宮駅前以外でも、意外な場所の不動産が、銀行から相手にされません。それが、北海道のニセコです。

北海道のニセコは、オーストラリア・香港・中国・東南アジアから数多くの観光客が訪れ、彼らによる別荘やリゾートマンション投資も盛んです。しかし、日本の銀行の基準では、そうした別荘やリゾートマンションは全く評価されない、だから、金も貸せないのです。

あまり見向きもされない不動産も、外国人目線が加わると、一気に人気不動産になる。このように、外国人による日本の不動産に対する投資は、いかに外国人目線を取り込んでいくかがポイントと言えそうです。

OWL香港編集部より

OWL香港は、外国人による日本の不動産投資を、タックス・購入手続・購入後のサポート等、様々な形でサポートしています。

不動産(または不動産を所有している会社)を売却したいという方は、是非、OWL香港まで御相談ください。

問い合わせ先(OWL Hong Kong Limited):info@owlhongkong.com

この記事を読んだ方には、是非この記事も

東京都港区の商業用不動産を中国人投資家に売却!その内幕は?

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