コラム
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弁護士費用の高い香港、リーズナブルな費用で法律問題を相談するにはどうする?

2017/02/07

香港の弁護士費用は日本より高い、1時間あたりの弁護士費用は、比較的安価な中小規模の香港ローカルの法律事務所でも、約3,000香港ドル(約39,000円)~約5000香港ドル(約65,000円)、と以前の記事で書きました。

この記事に対しては、「そんな高い弁護士費用は払えない、どうすればいいのか?」という問い合わせも頂きました。 そこで、リーズナブルな金額で法律問題に関するアドバイスを得る方法について、考えてみましょう。

作戦その1:弁護士に飲み食いさせて、無料でアドバイスを聞き出す!

案件を依頼するようなことを弁護士に言ってその気にさせ、弁護士をディナー+キャバクラ(香港であれば韓国カラオケ?)に連れて行き、その場で法律問題の相談をしたり、場合によっては、契約書のひな型などを貰ってしまう、という方法があります。

飲み食いをさせて法律相談をしている側にとっては、法律アドバイスは商品と違って原材料費もかからないだろうし、「良いではないか、減るもんでなし。」という感覚で、「しかも、飲み食いさせてやっているんだから、むしろ、感謝されているだろう。」と思っている人もいるようです。 しかし、弁護士サイド(とくに、香港人)の感覚は全く異なっています。

弁護士報酬を支払ってもらうことが大前提で、互いに良く知るために食事もしましょう、くらいの感覚のようです。

また、香港人弁護士は、初回の無料ミーティングの段階では、問題の中身に立ち入ったアドバイスをすることは少ないように思います。

「問題の中身に立ち入ったアドバイスをすることは少ない」という点を補足説明すると、日本人弁護士の場合、法律問題のアウトラインをざっくりと無料で説明したりすることがあるのに対し、香港人弁護士の場合、アウトラインの説明をするにしても非常に薄くだけであって、「事実関係によって変わってくるので、事実関係を伺わないとアドバイスできません。」と言って説明を打ち切ることが多い傾向がある、ということです。

ちなみに、見積りをとって、その価格を了承したうえで契約書作成を依頼しながら、「飲み食いさせたんだから充分だろ。」と言って報酬を支払わない人もいるようですが、もはや、無銭飲食に等しく言語道断ですね。

court-of-final-appeal

↑HSBC本店前にある、香港終審法院(Court of Final Appeal)

作戦その2:あらかじめ見積りで弁護士費用にキャップを掛け、関連質問として色々聞き出す!

日本でも一般的な方法ですが、業務内容の(たとえば、フランチャイズ契約の作成)の見積もり額を聞き、その金額を上限と定めてしまい、その後で、関連質問と称して色々な質問を(追加費用無しで聞いていく)という方法があります。

何かプロジェクトを進める際、予算の枠を取得してから開始する必要があるうえ、途中で関連部署・上司などから追加質問が来ることがある日本企業の場合、この方法をとる必要性は高いでしょう。

もちろん、香港でもこの方法は有効です。 しかし、日本と香港では若干の違いがあります。

本来の業務(上の例で言えば、フランチャイズ契約の作成)の作業量を100とした場合、ざっくりとした印象ですが、日本であれば、30-40の追加質問ができるとしますと、香港では10-20の追加質問をした時点で打ち切られる印象です。

その理由は、①日本は稟議がある関係で追加質問が多いが、香港では決定権限を持つ人が明確なため、稟議が無く追加質問も少ない、②そもそも香港の弁護士は、時間計算(1時間当たりの単価×所要時間)が基本という意識が強い、という2点だと思います。

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作戦その3:会社設立・維持サポート会社にアドバイスしてもらう!

法的アドバイスといっても、その難易度は様々です。

① 例えば、取締役や会社秘書役の変更、株式譲渡などは、それほど難しい問題ではなく、会社設立・維持サポート会社が日常的に扱っていることです。

② 例えば、日本・香港・中国に法人を持つグループの再編で、中国法人の株主を変更する具体的方法などは、法律論をきっちり突き詰めていくと難しい点もありますので、弁護士に書面で回答を求めると結構大変です。

でも、会社設立・維持サポート会社によっては、慣れている場合もあり、そうした会社であれば、(書面で回答することはできないにしても)、手続を片付けることはできるでしょう。

つまり、①や②の問題は、会社設立・維持サポート会社に相談すれば、手続を進めることが可能でしょう。

③ それに対して、日常的に出会うことの少ないマイナー論点の解釈などは、会社設立・維持サポート会社では回答しにくく、弁護士に質問するしかないでしょう。

とはいえ、日本から香港に拠点を出そうとする会社が直に質問するよりは、会社設立・維持サポート会社経由の方が、費用を掛けずに回答を得やすいと思います。

というのも、会社設立・維持サポート会社は、香港での法律問題の経験があるので、質問するポイントを絞れますし、関係の深い弁護士に比較的安い費用で相談できるからです。

手前味噌になりますが、OWL香港は、会社設立・維持サポート会社であれば通常扱うような法律問題だけでなく、かなり特殊な法律・税務問題も扱ってきていますので、かなりの部分は、自社のリソースで回答できると思います。

また、弁護士と共同で作業することも多いので、比較的安い費用で相談することも可能です。 香港で法務上の問題をどう解決すべきかお困りの方、御相談ください。

問い合わせ先(OWL Hong Kong Limited):info@owlhongkong.com

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