2015/08/23
2013年上半期に日本で放送されたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が2015年10月からフィリピンで放送される予定です。
香港も含め10か国・地域で放送されてきましたが、これまでは現地語字幕版でした。フィリピンでの放送では、初の現地語吹き替え(タガログ語吹き替え)です。
TVドラマが流行して、その国の食文化、ファッション、工業製品まで流行していくという流れを、ここ10年あまり韓国が作り出してきました。
政府のクールジャパン構想では、経済産業省の依頼にもとづき、外資戦略コンサルが報告書を出していましたが、その一つ、2012年発表のRoland Berger(ヨーロッパで最大の経営戦略コンサルティング会社)による報告書には、韓国政府によるメディアミックス戦略の巧妙さが言及されていました。韓流ドラマ、K-Pop、これら芸能人がCMモデルを務める商品を海外展開、韓国企業の製品全般のブランドイメージ向上、韓国への訪問客増大等の好循環が成立している、という話でした。
ただ、上記報告書も、韓国やディズニーは成功しているが日本のコンテンツは駄目だ、と一刀両断している訳ではありません。日本のTV番組でも、「風雲たけし城」や「料理の鉄人」は、現地バージョンが作られる形で世界展開を果たしました。TVドラマでも、かつてのNHK朝の連続テレビ小説「おしん」、最近の「半沢直樹」は、アジア各国で熱烈なファンを生み出しました。
ちなみに、香港で、「おしん」は今なお影響を持ち続けています。輸入食品スーパーの「759阿信屋」(香港証券取引所上場、証券コード759)は、日本や韓国の食品を中心に、世界各国の輸入食品を扱い、2010年に1号店が開店してから僅か5年で250店以上の一大チェーンに発展しています。この「阿信屋」という名前は、「おしん」から名前を取っているのです。