2016/01/21
マイナンバー導入による影響が、税金や個人情報流出の恐れなど様々な側面から議論されています。OWL Investmentsでは、マイナンバー制度導入後、香港居住者(日本非居住者)になる・であることのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
マイナンバーとは、社会保障・税・災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用される、12ケタの個人番号です。
マイナンバーが付けられる(付番される)のは、日本人に限らず、外国人でも中長期在留者や特別永住者も含まれます。しかし、日本で住民登録されていない場合は日本人であってもマイナンバーは付けられません(付番されません)。
よっぽどマイナンバーが欲しければ、香港でビザを取得し香港IDを持ちつつも、日本の住民票を残していれば、マイナンバーをもらえますが、欲しいですか?
個人がマイナンバーの提示を求められる場面として一番大きいのは、勤務先の会社への提示でしょう。給与に伴う税金や年金等の関係でマイナンバーが必要になるためです。
しかし、海外居住者にとって影響が大きいのは、日本の銀行で海外送金をする際、銀行がマイナンバーの提示を要求しているということでしょう。
マイナンバー導入以前から、日本国内のほぼ全ての銀行で、日本非居住者は口座を開設・維持することができませんでした。実際には、日本の銀行口座を維持したまま、香港居住者(日本非居住者)になった人も少なくないようですが、本人が日本非居住になることを申告しなかったから、銀行が気づいていないだけです。ついうっかり、「日本に住民票が無いんですが。」などと口走ると、「聞かなかったことにさせて下さい。。。」という話になるでしょう。
現時点では、銀行口座開設時にマイナンバーの提示が義務付けられていませんし、既存の口座についてもマイナンバーの提示が義務付けられている訳ではありません。
しかし、日本居住者であれば、日本国民か否かを問わずマイナンバーを持っているはずですから、今後、口座開設希望者・既存の口座保有者にマイナンバーの提示が義務付けられる可能性は高いのではないかと予想されます。
ただ、マイナンバーを持たない日本非居住者でも口座開設をできる日本国内の銀行も、残るのではないかと思います。
というのも、前述のとおり、マイナンバー導入前から、日本国内のほぼ全ての銀行で、日本非居住者は口座を開設することができなかったのですが、一部に、日本非居住者にも口座開設を認めている銀行があったからです。(このウェブサイト上で固有名詞は明かせませんが。)
マイナンバーの利用目的として、①社会保障、②税、③災害対策が挙げられていますが、一般国民・納税者の立場から、一番気が重いのは、②税でしょう。
というのも、マイナンバー導入により、副業も含めた給与所得は全て税務署が把握しますし、不動産賃料収入なども税務署が把握するようになります。さらに、今後は、銀行・その他金融機関の口座もマイナンバーで管理されるようになると思われます。
そうすると、収入(フロー)も資産(ストック)も、マイナンバー経由で税務署で把握されることになります。
確かに、国外資産についてはマイナンバーでは把握できないのですが、国外財産調書制度により、国外に5000万円以上の資産を持つ人については、その財産を税務署が把握する訳です。
つまり、日本居住者(マイナンバー保有者)については、収入(フロー)も資産(ストック)も税務署が把握されることになります。
収入(フロー)・資産(ストック)を税務署に捕捉されたくなければ、日本非居住者になるしかない、という時代が到来しつつあるようです。
香港居住・日本非居住を検討されている方、OWL Investmentsにご相談ください。
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