2018/02/02
ビットコインを筆頭にした仮想通貨への投資をしている人は、どんどん増えています。そして、仮想通貨への投資をする人の中で、香港をはじめとする海外を活用する人も増えています。
そこで、香港で仮想通貨取引所を開設した日系企業、Bit Point GlobalのManaging DirectorであるRyu Yoshidaさんに話を伺いました。
OWL:Bit Point Globalさんは、日本企業の子会社と聞いていますが、どのような関係なのでしょうか?
Yoshida:東京証券取引所2部上場企業である株式会社リミックスポイントのほぼ100%子会社である株式会社ビットポイントジャパンが40%、FXのシステム開発などを行っているTOP WISDOM ACCOUNTING & CONSULTING LIMITED(日本人設立の香港企業)が60%を出資して、2017年に設立されました。
OWL:株式会社ビットポイントジャパンは、仮想通貨取引所のビットポイントジャパンを運営していますね。 Yoshida:はい。弊社は、日本の仮想通貨取引所を運営している会社の子会社であり、かつ、東証上場企業の孫会社です。日本の投資家の方にも信頼していただきやすいのではないかと思います。
OWL:いま、信頼性という言葉が出ました。信頼性が低い取引所の場合、どのような問題が考えられますか?
Yoshida:そうですね、カウンターパーティ・リスクが一番大きいと思います。つまり、取引所がハッキングされて、取引所に入れてある仮想通貨が無くなってしまうことです。
OWL:銀行や証券会社の口座をオンラインで使っている人は多いと思います。私も使っています。銀行や証券会社の口座もハッキングされたら恐ろしいですけれども、そこまで心配していませんよ。
Yoshida:金融機関はシステムを開発する際に、セキュリティを非常に厳重にしています。ところが、仮想通貨取引所は金融機関が始めたビジネスではないので、セキュリティがそれほど厳重ではないという問題があります。特に香港の場合、日本と違って規制もなく登録制でもないので、セキュリティは玉石混交だと思います。
OWL:Bit Point Globalさんのセキュリティ面はどうでしょうか?
Yoshida:弊社の場合、一方の親会社である株式会社ビットポイントジャパンは日本の規制に適合した仮想通貨取引所を運営していますが、その日本の仮想通貨取引所のシステムと同等のシステムを弊社も採用しています。このシステムは日本の証券取引システムを開発した者が作っており、非常に堅固なシステムを構築しています。
OWL:貴社のサービス内容について聞かせてください。取り扱っている仮想通貨は何ですか?
Yoshida:ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインの四種類です。来月にはリップルも取引可能になります。これから更に増やしていく可能性もあります。
OWL:個人名義で口座を開設するだけでなく、法人名義で口座を開設することも可能でしょうか?
Yoshida:はい、法人名義でも口座開設可能です。ただ、現状では、個人で口座開設をされている方が約9割、法人で口座開設をされている方は約1割ですね。
OWL:それは、口座開設の面倒などとも関連するのでしょうか。貴社の場合、KYC(Know your client、顧客確認)やAML(アンチ・マネーロンダリング)のチェックは、どのように行っていますか?
Yoshida:香港には仮想通貨取引所に関するレギュレーションはまだありませんので、KYCやAMLに関するルールもありません。しかし、弊社は社会から信頼される取引所でありたいと思っていますので、金融機関と同等のKYCやAMLのチェックをさせて頂いています。その関係で、法人口座開設の方が、若干お時間を頂いてしまうということはありますね。
OWL:香港における仮想通貨取引所の将来像はどのようにお考えですか?
Yoshida :金融機関がまさに好例ですけれども、日本の場合、日本居住者のみを対象とした非常に閉ざされたシステムになりがちです。仮想通貨取引所も、日本の仮想通貨取引所では、日本居住者向けのシステムになっています。しかし、仮想通貨は、国境を越えた価値の移転に非常に適していますので、日本居住者のみを対象とした仕組みでは使いにくくなってしまうと思います。その点、香港は、金融機関も我々仮想通貨取引業者も、香港居住者だけでなく全世界の人に使ってもらうシステムを作り上げています。
OWL:なるほど。今日は、有難うございました。