2015/11/04
日本の相続税・贈与税は高いですから、何とかして財産を隠したいという人は大勢います。そうした人達の中には、日本の金融機関に預けておくと税務署にばれやすいだろうと心配し、日本よりは香港の方が見つかりにくいだろうと考え、香港の銀行に口座を作って預金したり、金融商品を購入する人も多いようです。
しかし、ここで大きなハードルが立ちはだかります。国外財産調書制度です。
国外財産調書制度とは、日本の居住者が12月31日時点で合計5000万円超の国外財産を保有している場合には、国外財産調書(保有する国外資産の内訳明細書)を作成して、翌年3月15日までに所轄の税務署長に提出しなければならないという制度です。
しかも、2014年12月31日時点での国外財産の調書提出分(2015年3月15日まで)からは、不提出・虚偽については刑罰の適用も開始されています。
香港など日本国外に5000万円を超える財産を置いている日本居住者の方、きちんと国外財産調書を提出すれば良いのですが、中には、提出したくないという方もいます。
こうした方の中には、別人名義の口座にしてしまえば問題ないだろ!と考える人もいます。
香港で会社設立(法人設立)したうえで、いわゆる「ノミニー」を利用するのです。
Aさんが株主・取締役の「A Limited」という会社(香港法人)を設立し、「A Limited」の名前で銀行口座を作り、Bさんの個人資産を「A Limited」の銀行口座に入れておく。銀行口座の名義は「A Limited」、同社の株主・取締役はAさんです。ただ、さすがにサイナー(銀行に送金・引きおろしなどの指示を与えることができる人)までAさんにすると、Aさんにネコババされてしまいかねないので、サイナーだけはBさんです。
たしかに、このような「ノミニー」を利用すると、第三者からは、この口座の中にある資産がBさんのものであるとは、分かりにくいのです。
しかし、税務署を含む第三者から分かりにくい=事実上実行可能であるからと言って、違法でない訳ではありません。「A Limited」の銀行口座に入っている資産はBさんの財産なわけで、国外財産調書を提出しないことは、やはり違法なのです。
上で、「事実上実行可能」と書きましたが、最近は、それも怪しくなってきました。
お客様が銀行で交渉する際のサポートで銀行に同行することがあります。そうしたとき、「国外財産調書を提出しましたか?」と聞かれることが増えているのです。「ノミニー」を使っている方の場合、(財産隠し目的ですから)当然、国外財産調書を出していません。そこで、「出していません」と答えると、「では、口座をとじてください。」と銀行側が言ってくるのです。
国外財産調書に関係なく、諸外国の富裕層に比べ預入金額が少なく、金融商品をそれほど買う訳でもなく(したがって銀行に手数料を落とさず)、英語も中国も堪能でない日本人顧客は、銀行から敬遠されやすかったのですが、銀行側が、国外財産長所制度という格好の武器を得て日本人顧客の追い出しにかかっているということかも知れません。
では、「国外財産調書制度、どうすれば出さなくて済むの?」というのが最終的な疑問です。
最初に、国外財産調書制度について説明しました。「国外財産調書制度とは、日本の居住者が12月31日時点で合計5000万円超の国外財産を保有している場合には、国外財産調書(保有する国外資産の内訳明細書)を作成して、翌年3月15日までに所轄の税務署長に提出しなければならないという制度です。」
つまり、あなたが日本居住者でなくなれば(海外移住すれば)、国外財産調書を提出しなくても違法でないのです。
そして、香港移住はそれほど難しくない、というのがOWL Investmentsからのメッセージです。
問い合わせ用メールアドレス:info@owl-investments.com