2015/09/16
Quacquarelli Symonds (“QS”)の2015/16年版の世界大学ランキングが発表されました。世界大学ランキングには幾つかあり、考慮ファクターの違いの関係で順位に違いが出てくるのですが、QSのランキングが一番引用されることの多いランキングではないかと思っています。
この2015/16年版のランキングで上位10大学を見ると:
1位:マサチューセッツ工科大学(米国)
2位:ハーバード大学(米国)
3位:ケンブリッジ大学(英国)
3位:スタンフォード大学(米国)
5位:カリフォルニア工科大学(米国)
6位:オックスフォード大学(英国)
7位:ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(英国)
8位:インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)
9位:チューリッヒ工科大学(スイス)
10位:シカゴ大学(米国)
非英米圏であるスイスのチューリッヒ工科大学が昨年の12位からランクアップして10位以内に入ったのが目を引きますね。それ以外は例年通りのメンバーという印象。
日本の大学では、38位の京都大学(前年36位)、39位の東京大学(前年31位)、56位の東京工業大学(前年68位)、58位の大阪大学(前年55位)、74位の東北大学(前年71位)が100位以内にランクインしています。
アジアからは、シンガポール国立大学が12位、南洋理工大学(Nanyang Technological University、シンガポール)が13位、清華大学(中国)が25位、ソウル国立大学(韓国)が36位、韓国科学技術院(KAIST)が43位。香港からは、香港理工大学(28位)、香港大学(30位)が入っています。シンガポールの大学の急上昇が目立ちます。
ランキングを決める点数の中身を見ると、英語圏でない大学の場合、どうしても留学生等を集めにくく、「国際性」の点数が下がっているようです。例えば、東京大学の場合、Academic reputationは100点、Employer reputationは99.3点、Faculty studentは96.3点だが、International facultyが64.9点と極端に足を引っ張ってしまっています。
このQSランキングは英国で作られたランキングシステムですが、ランキングを決める考慮ファクターが英米の大学に有利になるように作られているんですね。
出来上がったルールの下で戦う人ではなくルールを作る人が勝つ、そして、国際社会でルールを作っているのは、英米なんですよね。英米(とくに英国)のしたたかさには、手を焼きます、でなく、舌を巻きます。