2024/05/22
暗号資産投資をしている投資家が日本で利益確定をすると最高55%の税金がかかりますが、海外移住でこの税金を回避することができます。
でも、海外移住して節税するというのも突拍子ない話で、遠い世界のように感じてしまう人が多いでしょう。
そこで、実際にシンガポールに移住して節税をしている暗号資産投資家のAさんにお話を聞いてみました。
2014年からビットコイン投資を始めた!
OWL:Aさんがビットコインを知ったのはいつですか?
A:2014年、当時最大の暗号資産取引所「マウントゴックス」が破綻したニュースでビットコインを知りました。そこで、周りの人達と話してみたら、ビットコインを買っている人が結構多いことに気づきました。
OWL:2014年の時点でビットコイン投資をしている人が周囲に多かったんですか?それは、よほど特殊なコミュニティじゃないでしょうか?
A:私は、半導体の研究者で、大学で教員もしていました。ですから、新しい技術にトライしてみようという人が多い環境だったと思います。
OWL:そして、2014年にビットコイン投資を始めたのでしょうか?
A:はい、2014年に香港に出張で行ったとき、町中でビットコインを売っている販売所を見つけ、10万円分ほど買ってみました。
OWL:ビットコイン以外にも投資しましたか?
A:2015年にカルダノエイダも買いました。
OWL:カルダノエイダは、日本では、かなり激しく営業活動をしていたようですから、日本人の投資家で購入された方が多いですね。
A:営業が激しかったという話は聞きますが、私は、開発者チャールズ・ホスキンソン氏の話などをもとに、技術的な見地と将来への期待から興味を持ちました。マルチ的な営業活動をしていたなどという話を後で知りましたが、少し残念です。
日本で利益確定をすると税金が物凄く高いことを知り、移住を考えた
OWL:日本で暗号資産に投資を始めたAさんが海外移住を考えたのはなぜですか?
A:ビットコインバブルのピークを越えた2018年だと思いますが、日本に住みながら暗号資産の利益確定をすると最高55%の税金がかかることを知りました。55%もの税金がかかるのであれば、海外に移住しなくてはいけないと思い始めました。
OWL:移住先としてシンガポールを選んだのはなぜでしょうか?
A:海外の研究者仲間で、シンガポールに会社を持っている人が、シンガポールに来たいのであれば雇ってあげると言ってくれていました。シンガポールはインフラも整備されていて住みやすそう、いつか住んでみたいと思っていたので、せっかくなので移住することにしました。
OWL:シンガポールは雇用ビザ(EP)を取るのが難しいと思いますが。
A:そうですね。年齢にもよりますが、月給として100万円くらい取れる人であることが求められるし、楽ではありません。ただ、私の場合、大学院でドクターまで取得して、先端分野の研究者であることがビザ取得に役立ったと思います。
(マリーナベイと日の出)
シンガポールの超一等地での暮らしは?
OWL:シンガポールではどのエリアにお住まいですか?
A:オーチャード通りの地下鉄駅から徒歩圏内のコンドミニアムに住んでいます。
OWL:どこに行くにも便利ですし、日本の食べ物が何でもそろうドン・キホーテも近くにありますから、生活にも便利ですね。
A:東京ですと、東京駅から電車で30分の住宅地と銀座とを比べた場合、家賃はまるで違うでしょうが、シンガポールの場合、一等地だからといって家賃が2倍3倍にはならないと思います。だから一等地に住めているというのはあります。とはいえ、まもなくの契約更新で家賃が10%は上げられてしまうようで困るのですが。
OWL:シンガポールの家では不自由なく暮らしていらっしゃいますか?
A:日本の家にはグランドピアノがあって、ピアノを弾くのが楽しみだったのですが、グランドピアノをシンガポールまで運んでくる運送代が高すぎて、持ってくることができませんでした。仕方なく電子ピアノを買いましたが、音もタッチも納得できないですね。
OWL:食事はどうされていますか?
A:彼女はシンガポールに来てくれなくて、シンガポールでは一人暮らしなのですが、外食が多いですね。辛すぎる食べ物などは苦手なので、和食やヨーロッパ料理が多いです。自炊も週1回くらいしています。鍋物のように、簡単に作れて野菜をとれる物が多いですね。
(シンガポールには美味しいイタリアンレストランも多い)
カルダノエイダを売却して帰国する予定
OWL:日本に帰国する予定はありますか?
A:手持ちのカルダノエイダの価格が上がって、売却してから日本に帰国すると思います。今年はビットコインの半減期ですが、半減期の年にはビットコインの価格上昇が期待できますし、ビットコイン以外のアルトコインの価格上昇も期待できます。今年あたり価格が上がったら、売却して帰国しようかと思っています。それまで、ステーキングで収入を得ながら待っています。ステーキング収入に税金がかからないというのも、シンガポールの利点ですから。
シンガポールは住みやすい国
OWL:2年間住んでこられたシンガポール、全般的な評価はいかがでしょうか?
A:欧米や他の東南アジア諸国と比べて、住みやすいと思います。というのも、相手との距離感がちょうど良いんです。アメリカ人によくある近すぎる感じは疲れますし、東南アジアによくある親戚まで押し寄せてくるのも疲れます。シンガポールは、個々人が適度に離れていて楽ですね。
OWL:シンガポールは規則が厳しすぎるという話も聞きますが、その点はどうですか?
A:シンガポールは喫煙が厳しく制限されているなどと言われます。でも、喫煙が事実上黙認されている喫煙スペースがあったりして、意外に緩いのかも知れないと思います。
OWL:シンガポール移住の雰囲気がよくわかるお話、ありがとうございました。