2016/05/08
不動産仲介のナイト・フランク社は、2007年から「ウェルス・レポート」(「The Wealth Report」)を毎年発表しています。
OWL Investmentsでは、2016年3月の記事で、居住用の主な不動産を除き3,000万米ドル以上の投資可能資産を所有する超富裕層 (Ultra high net worth individuals, “UHNWI”)のデータを整理しましたが、皆さん、富裕層の動向に興味があるのでしょうか、幸いにも好評でした。
そこで、続編として、居住用の主な不動産を除き100万米ドル以上の投資可能資産を所有する富裕層、1,000万米ドル以上の投資可能資産を所有する富裕層のデータも整理してみます。
3000万米ドル以上の投資可能資産を持つ超富裕層の統計と同じく、アジアが北米やヨーロッパを抑えて急上昇しています。
ただ、2025年には3000万米ドル以上の超富裕層、1000万米ドル以上の富裕層の人口で、アジアがヨーロッパを抜くと予想されているのに、100万米ドル以上の富裕層人口では、アジアはヨーロッパを追い抜かないと予想されているのです。
つまり、アジアは、超富裕層は急増してきたし今後も急増すると予想される一方、中流階級の延長とも言える100万米ドル以上の層は急増というほどではないと予想されているのです。
(投資可能資産100万米ドル以上の地域別人口)
(投資可能資産1000万米ドル以上の地域別人口)
では、本当の頂点のような超々富裕層はどうでしょう?投資可能資産1億米ドル、10億米ドル以上の超々富裕層の統計もありましたので、グラフにしてみました。
予想通りと言いましょうか、アジアはごく一部のトップクラスの超々富裕層が急激に増えてきましたし、今後も凄まじい勢いで増えていくようです。10億米ドル以上の超々富裕層の人口は、北米に迫るレベルです。
(投資可能資産1億米ドル以上の地域別人口)
(投資可能資産10億米ドル以上の地域別人口)
この表は、投資可能資産3000万米ドル以上の超富裕層の人口が1,000人以上の都市+大阪で作成してみました。
前回の記事では、投資可能資産3000万米ドル人口の都市の順位の分かるグラフにしてみましたが、今回は、3種類の人口統計の合わせ技で表にしてみました。というのも、①投資可能資産100万米ドル人口では下位なのに投資可能資産3000万米ドル人口では上位に来る都市、また②逆パターンの都市もあるので、そこを浮き上がらせてみようと思ったからです。
投資可能資産100万米ドル人口では下位なのに投資可能資産3000万米ドル人口では上位に来る都市の代表は、モスクワでしょう。投資可能資産100万米ドル人口では20位ですが、投資可能資産1000万米ドル人口では5位、投資可能資産3000万米ドル人口でも5位です。
他に、南米ブラジルのサンパウロも似た傾向です。
一方、投資可能資産100万米ドル人口では上位なのに投資可能資産3000万米ドル人口では上位に来る都市の代表は、東京でしょう。投資可能資産100万米ドル人口では4位ですが、投資可能資産1000万米ドル人口では8位、投資可能資産3000万米ドル人口では10位に沈みます。他に、大阪やフランクフルトも同じ傾向です。
つまり、貧富の差が大きい新興国の都市では、中流階級の延長上にある投資可能資産100万米ドル人口はそれほど大きくないのに、超富裕層の人口では世界でトップクラスになると言えます。
こうした超富裕層人口だけが突出して大きい都市は、治安や雰囲気の点で、少し住みにくい気がするのですが気のせいでしょうか。
香港は、富裕層人口も超富裕層人口も平均してトップクラスにあり、このグラフを見ても、香港が富裕層にとって住みやすい都市であることを窺い知ることができそうです。
香港移住を考えている方、OWL Investmentsにご相談ください。
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