2015/12/03
日本国内で地域間の所得格差が大きな問題になってきています。
総務省発表の納税義務者一人当たり課税対象所得(2013年)を見ると、日本1位が東京都港区の901.7万円、2位が東京都千代田区の784.3万円、3位東京都渋谷区702.7万円、4位兵庫県芦屋市587.8万円と続きます。おおよそ予想通りの顔ぶれです。
下を見ると、東京23区最低は足立区の324.2万円、日本最低は岩手県奥州市の121.3万円です。こちらも、おおよそ予想通りです。(奥州市というのは名前も初耳でしたが。)
香港の行政区分としては、香港島、九龍、新界という大きな3区分がありますが、もう少し細かく分けると、18の区に分けられます。
この「区」も正直言って大雑把であり、地域の特色をつかむのには不十分とは思います。(東京で言ったら、蒲田も田園調布も「大田区」と一括りにされ、神田も番町も「千代田区」と一括りにされているようなものでしょう。)
とはいえ、香港内の地区のイメージをつかむには有効です。
さて、香港で高所得層の多い地域、低所得層の多い地域は何処でしょうか?
Census and Statistics Departmentの取った統計では、①全ての家庭(all households)の1か月あたりの所得(Median monthly household income)、②経済活動に従事している家庭(Economically active household)の1か月あたりの所得(Median monthly household income)のMedian(中央値)が記載されています。
第1位は、①全ての家庭の1か月あたりの所得と②経済活動に従事している家庭の1か月あたりの所得とで、微妙に分かれてしまったのですが、①の第一位は中西区(Central and Western、35,000香港ドル/月)、②の第一位は湾仔区(Wan Chai、45,000香港ドル/月)でした。この両区には、高所得層の住む高級マンションが多いですし、所得のMedianを引き下げる、政府が開発した低所得層向けの住宅(邨=Estate)も少ないので、この両区が上位1,2位なのは納得です。
(写真は、湾仔区を山の上から見た光景です。)
この両区に続くのが意外にも、海鮮料理で有名な西貢のある西貢区(Sai Kung)です(①30,800香港ドル、②34,600香港ドル)。
西貢区で人口が急増しているのは、将軍澳(Tseung Kwan O)の大規模マンション群です。中間層以上の若い家族がどんどん増えているエリアです。
区の名前にもなっている西貢は中心地から遠く交通も不便なのですが、それだけに自然も多く残っていますので、ゆとりのある高額所得層の欧米人も多いですね。
これらに続くのが香港島内の東区(Eastern、①27,800香港ドル、②33,500香港ドル)と南区(Southern、①28,000香港ドル、②33,000香港ドル)です。
南区には、レパルスベイ(Repulse Bay)など高所得層の多い地域が多く、もっと上位に食い込みそうなイメージですが、アバディーン(Aberdeen)周辺などに政府が開発した低所得層向けの公営団地も多いので、だいぶ減殺されてしまったのでしょう。
(写真は、低所得層向け住宅の一つ、南区にある華富邨という公営団地)
大陸側の中でも中心部から遠い新界地区は、全体的に低いですね。政府が開発した低所得層向けの住宅(邨=Estate)が多いため、全体の数字が大きく引き下げられてしまっているのだと思います。
でも、新界地区にも、屯門区(Tuen Mun、①21,000香港ドル、②25,000香港ドル)のGold Coastのように、ところどころ高級マンションのある場所もあるのです。英国の名門校ハーロー校(Harrow School)の香港分校Harrow International School Hong Kongがあるのも、この屯門区(Tuen Mun)のGold Coastです。
(写真は、Gold Coastのヨットハーバー。)
香港は、外国とはいえ、米国のニューヨークやシカゴのように、住む地区によっては治安が非常に悪いということはありません。でも、地区によってイメージがかなり違います。この統計を見ると、地区のイメージが多少とも掴みやすくなるかもしれません。
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