2017/05/10
どういう家に住むかによって、香港生活は大きく変わってきます。
これから香港に引越をしようと考えている場合、どうやって家を探すべきでしょうか? そこで、前編「香港で家探し①:どの不動産業者にお願いする?香港のタフな大家との交渉はどうする?」に続き、不動産エージェントOKAY.COMのSenior Managerであるバーン宏子さんにお話をうかがいました。
OWL:日本人が外国に住むとき、非常に気になるのは、治安だと思います。家探しのとき、どこに気を付けたら良いでしょうか?
バーン:香港は、全般的に見て、非常に治安が良いと思います。しかし、高層マンションだからといって油断せず、住人一人一人が安全に心がけることは大切です。オーナーがテナント募集中に鍵を複数の業者に渡し、テナント決定後も回収しないという話を聞くこともありますので、注意は必要です。
OWL:一戸建ての場合はどうでしょうか? バーン:香港にはそもそも一戸建てが少ないですが、ピークや香港島南側、西貢(Sai Kung)などには富裕層向けの一戸建てがあります。そうした一戸建てでは、空き巣狙いの窃盗事件などが発生することもありますね。
(西貢には広々した庭が付いた住宅もあります。OKAY.COMご提供の写真。)
OWL:一戸建てに住む場合、セキュリティ対策はどうすれば良いでしょうか?
バーン:セキュリティ会社と契約して、窓やドアの施錠の徹底、監視システムなどを付けることは必須です。
OWL:セキュリティ会社の紹介もお願いできますか? バーン:はい、弊社で紹介させて頂きます。
OWL:日本では自殺や火事のあった物件は「事故物件」と言われ、事故物件を表示する大島てるというウェブサイトもあるほどです。やはり、そういう物件に住むのは嫌ですから。香港で、事故物件を調べるには、どうしたらよいでしょうか?
バーン:香港にも、香港版の大島てるとも言うべき、似たウェブサイトがあります。その名も凶宅です。これを見れば、過去に起きた事件、自殺や事故をチェックすることができますよ。
OWL:香港で車を運転しようとする場合、自宅マンションにも駐車場が必要ですが、駐車場を借りられますか?
バーン:一般的駐在員が住むクラスのマンションであれば、たいてい駐車場がありますが、駐車場を分譲せず賃貸用として別運営されているマンションも多くあります。空スペースの有無などマンション契約をする前に確認したほうがよいでしょう。
バーン:少し上のクラスの物件(だいたい家賃60,000~70,000香港ドル以上)ですと、各部屋と駐車場がセットになっている場合があります。そうした物件では、駐車場込みか外すか別途の交渉となります。駐車場は要らないと言っても、家賃が安くなるとは限りません。
OWL:部屋を借りる際、日本人にとって一番気になるのは水回りです。バスルームは、一般的にどうでしょうか?
バーン:駐在員向け・それ以上のクラス向けとも、香港の物件は、バス・トイレが一緒になったバスルームが基本ですね。これくらいのクラスとなると、たいていバスタブもついています。日本的な湯船とは違う、浅い洋式バスタブです。
OWL:バスルームは幾つあるのが一般的でしょうか? バーン:だいたい3ベッドルーム以上の物件であれば、バスルームは2つあるのが一般的ですね。
(西貢の一戸建て住宅のバスルーム。OKAY.COMご提供の写真。)
OWL:トイレの様式はどうでしょうか?日本人の一部に、シャワー付きトイレ(ウォシュレット)が必須という方もいて、非常に気になるようですが。
バーン:香港では、トイレで流す水は、普通の上水道とは別系統になっていて、海水を流すことが多いです。さすがにシャワー付きトイレ(ウォシュレット)に海水を流す訳にはいかないでしょう、壊れてしまいますよね。ですから、シャワー付きトイレ(ウォシュレット)を使うには、大家さんの了解を得たうえで、水道も含めた一定の工事が必要になります。
OWL:そんな工事となると、大家さんもOKしてくれないのでしょうか?
バーン:そうでもないですよ。シャワー付きトイレ(ウォシュレット)で物件の価値が上がると理解してくれれば、大家さんが全額費用を負担してくれる場合もあります。そうでなくても、借主が費用を負担するのであれば、大家も了承してくれることが多いですよ。
OWL:でも、外国人である日本人が香港でシャワー付きトイレ(ウォシュレット)を設置する工事費用はどれくらいかかりますか?
バーン:工事の難易度によりますけれども、15,000~20,000香港ドルくらいです。弊社の日本人スタッフは、シャワー付きトイレ(ウォシュレット)の設置工事の対オーナー交渉や工事手配を多く手掛けていますから、是非相談してください。