2018/06/27
仮想通貨の取引によって得た所得は、現在は、雑所得(最高税率55%)とされています。
しかし、この現行税制に対しては、仮想通貨の事業者や投資家から、「55%では税金が高すぎる」、「(FXによる所得と同じように)分離課税にすべきだ」と主張されていることは、よく知られています。
この仮想通貨の収益を申告分離課税にすべきという点について、2018年(平成30年)6月25日の参議院予算委員会で、日本維新の会の藤巻健史委員(維新)が質問し、麻生太郎財務相が回答しました。
麻生太郎財務相は、国際的にも仮想通貨の位置づけが不透明なことを指摘したうえで、税の公平性などの観点から、税率が一律20%程度となる分離課税とすることに「国民の理解が得られるのか」と疑問を呈しました。
今後の日本がどのような産業で食べていくのかという点から考えていくと、規制によって、国の成長産業を妨げてはならないと考える。 今一番の関心ごとは、インターネット革命の次にある成長産業であるブロックチェーンです。
例えば公文書の改ざんの問題があるが、消去される可能性もあるので完璧ではない。
ブロックチェーンであれば、改ざん自体ができず、さまざまな問題を解決することができる。 このブロックチェーンの発展と表裏一体の関係にあるのが、仮想通貨だ。
ブロックチェーン技術は推進するが、仮想通貨は規制をかけるとなると、世界に遅れを取ってしまう可能性がある。
ブロックチェーンと仮想通貨を一体となって発展させるために、現状のままだと、税制が足を引っ張りかねない。
仮想通貨が区分される雑所得の扱いでは、他の給料や不動産収入などと損益通算できず、翌年繰り越しもできない。儲かればごっそり税金を持って行かれて、大損した場合は補填がないというのは、(最大税率55%となる総合課税の金融商品として)不適切ではないか。
税務当局の考える税の論理からいくと納得できる部分もあるが、しかし、日本の未来を築くブロックチェーンについては、税制で日本の未来を妨げるようなことがあってはならない。
20%の分離課税にすべきという点について述べますと、会社の給料や事業所得などで大金を稼いだ方は、最大55%の税率が掛かる一方、仮想通貨投資の利益は20%の税率で良いというのは、国民の理解が得られず、世間で通用しないのではないか。
また株や債券と異なり、資産運用の一つとして、国が仮想通貨を推奨するほど、国際社会での信用が得られていない。
ブロックチェーン技術は仮想通貨以外にも使えますから、ブロックチェーン技術を育成していくためには、仮想通貨の購入や利用を後押しする必要があるのかという点に、問題がある。 日本が遅れているという指摘であるが、おそらく日本が一番進んでいるのではないか。
慎重な対応をしつつ、ブロックチェーンの育成をしていくべきだ。
この麻生大臣の答弁を聞きますと、仮想通貨収益の分離課税化は(今すぐには)あまり期待できないようにも思えます。 しかし、さすがに最高55%という税率は高いですよね。
弊社OWL Investmentsでは、仮想通貨投資家の何とか合法的に税率を下げる方法はないか?という相談に応えていきます。
2018年9月2日(日)、東京で、仮想通貨投資家のための海外セミリタイアセミナーを開催し、仮想通貨投資家の税金対策・海外移住を話します。是非お越しください。