2017/01/25
香港の街を歩き、店でショッピングをし、レストランで食事をしても、香港の半分しか、見たことにはならないかも知れません。 会員制クラブの閉ざされた世界が、香港の残り半分です。
香港には、非常に多くの閉鎖的な会員制クラブがあります。
香港ジョッキークラブ(競馬の運営団体)、香港フットボールクラブ、チャイナクラブ(上海灘創業者が創設)などが有名です。
「競馬の運営団体」というと、ギャンブル好きの人達向けの団体?と思ってしまいますが、英国伝統の紳士淑女の社交場としての伝統を強く残す、香港随一の社交団体です。基本的に会員の紹介が無いと入会できませんし、順番待ちの入会希望者が非常に多く、なかなか入会できません。
そんな会員制クラブの一つに、Royal Hong Kong Yacht Clubがあります。
OWL Investmentsのコンサルタントの一人が会員なので、そのクラブハウスで社内ランチミーティングを行ってみました。
Royal Hong Kong Yacht Clubは、クラブハウスを3つ持っているのですが、メインのクラブハウスは、なんと香港島のショッピングエリアである銅鑼湾の海岸沿いにあるのです。
World Trade Centreのすぐ近くから「秘密の地下道」感の漂う地下道を歩いていくと、約10分で着きます。
元々、このクラブハウスは、ビクトリアハーバーの中ほどに浮かぶ、奇力島(Kellett Island)という島に建っていたんですね。
それが、海底トンネル建設に伴う埋め立てで、銅鑼湾とくっついてしまい、こんな抜け道を通って行かれるようになったという経緯のようです。
(1948年の奇力島、Wikipediaより)
この日の社内ミーティングは、ビクトリアハーバーのシービューを楽しめるビストロで行いました。
香港でビクトリアハーバーを見ながら食事をできる店は、幾つもありますが、おそらく、Royal Hong Kong Yacht Clubのビストロが最高(景色も良いし、混雑していない)と思います。
英国伝統のヨットクラブと聞くと、食事の味がひどいのでは?と思う人がいるかも知れません。
その懸念はごもっともです。 例えば、英国でマッシュ(すりつぶしたポテト)というと、何の味もないポテトに、グレービーというドロッとしたソースをかけ、ただ茹でただけのインゲン豆が添えられていたりして、味わうことなく、黙々と食べるしか無かったりします。
しかし、さすが食の都香港だけに、そんなことはありません。食事のレベルは香港レベルになっています。
(ヨットクラブ内のBar)
さて、気になる入会費・会費ですが。
入会費(Entrance Fee)が1,850,000香港ドル(約2775万円)、毎月の会費(Subscription)が1,350香港ドル(約20,250円)、建物使用料(Building Levy)が220香港ドル(約3,300円)です。
しかも、会員の紹介があって、委員会で承認される必要がありますからね。会員になるのも、そう簡単ではなさそうです。