2016/04/19
香港では不動産投資が日常に溶け込んでいます。
大きなショッピングモールなどで、新築マンション売り出しのパンフレットを持った販売員が通行人に声を掛ける光景や、バスの車体にもマンション販売の全面広告が貼り付けられているのもよく見かけます。
さて、注目度の高い新築マンションの販売はどういう仕組みなのか、説明会レポートをお届けします。
香港を代表する財閥の一つであるSwire Group。元々は英国系の財閥で、香港内の開発物件としては、Admiralty(金鐘)のPacific PlaceやTaikoo(太古)の太古城の住宅地が有名ですが、キャセイパシフィック航空を傘下に抱えるグループという説明が一番わかりやすいでしょうね。
Swire GroupはこのMid-levels West(西半山)の開発に力を入れていて、Azura(蔚然)、Arezzo(瀚然)、Argenta(珒然)という3つのマンションを開発しましたが、この地域4つ目のマンションが、今回分譲中の「Alassio(殷然)」です。
デベロッパーの資料によれば、ビジネスの中心地であるCentral(中環)まで徒歩8分、欧米人の多い飲食街のSOHOまで徒歩5分。香港大学や昔からの有名な学校も近くに多いですし、英国植民地の雰囲気を今なお残すエリアです。
香港の新築マンション販売時には、ショッピングモールなどでパンフレットを抱えた販売員が声を掛けてくることが多いと書きました。彼らは、デベロッパーの人達ではなく、不動産エージェントの人達です。
私の場合、大手不動産エージェントの一つである中原地産のこの地域担当の人から連絡を受けたという経緯で、説明会に行きました。
「Alassio(殷然)」は、2017年5月完成予定なので、まだ中を見ることはできません。車で場所だけ見てから、説明会場の太古城に向かいました。
説明会場は、香港島東部のTaikoo(太古)にあるビル(Cityplaza 4)の中に、マンション「Alassio(殷然)」のワンフロアを丸ごと再現する形で作られていました。
余談ですが、Cityplaza 4も含め下記マップのエリアのほとんどの建物は、Swire Groupによって開発されています。
マンションの説明会場の中は、見学者が多くて本当に大混雑でした。
部屋を見た上での印象を少し述べてみましょう。
全体的に見て、香港人というより、香港在住の欧米人の趣向に近いマンションだなという印象を持ちました。実際、このMid-levelsエリアは欧米人が多く住んでいますし、欧米人の趣向に合わせるのは戦略的にも正しそうです。
日本で投資用マンションを購入する場合、賃貸に回した場合の利回りを説明されることがあります。
しかし、香港では違います。
説明会場に向かう車の中で、賃貸に回した場合の利回りについて質問しても、「後で確認して説明しますから」という感じで流されてしまったうえ、結局最後まで説明されることはありませんでした。(香港人は、こちらが質問しても答えられない問いには答えようとせず、自分の話したいことだけ話す、ということがよくあります。)ちなみに、香港で不動産を賃貸する場合の一般的な利回りは、1~2%です。
では、賃貸に回した場合の利回りについての説明の代わりに、何について詳しく説明するのか?それは、「売却するとき、いくらで売れそうか」です。
分譲予定の部屋のリストに、販売価格、スクエアフィート(以下、sqf)辺りの価格が載っています。
40C:581sqf(=約54.0平米=約16.3坪)、19,350,000香港ドル(sqf辺り33,305香港ドル)という感じです。(平米や坪の表示は私が計算したもので、元の資料には載っていません。)
で、近隣のマンションの近時の取引価格のリストも渡されます。
「転売する場合、これくらいの値段で売れる可能性が高いですよ。」というあんばいです。
日本で投資用マンションを購入する場合、賃貸に回した場合の税金を説明されることがあります。
しかし、上に書いたように、香港のマンションを投資用に購入する人は、売却で利益を上げることしか考えていない訳です。
ですから、税金の説明も、購入時の税金・売却時の税金についてだけでした。
ざっと述べると、不動産取引の税には、以下があります。
詳しくは、香港のInland Revenue Department (“IRD”) のFAQページをご確認ください。
ちなみに、販売価格表によると、印紙税相当分の7.5%はディスカウントでした。二戸目以降の購入である投資家でも、上記AVDは不要という価格に設定している訳です。
OWL Investmentsは、香港での様々な投資を応援しています。
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