香港の地下鉄運営会社である香港鉄路(MTR)は、中国中車集団から地下鉄車両を購入する予定です。契約額は48億4000万元(約970億円)で、MTRによる車両発注額では過去最大になります。
中国中車、2015年6月1日発足
中国中車集団は、2015年6月に中国南車集団と中国北車集団が合併して発足した中国国営鉄道車両製造企業であり、2013年度の売上高合計が1951億元(約3兆7700億円)と、従来の世界ビッグ3であったボンバルディア、シーメンス、アルストム)の鉄道事業の売上(いずれも約8000億円前後)の合計を大きく上回っています。
中国中車集団は、発足以降、海外からの大型受注が相次いでおり、6月にはインド、トルコ、ウズベキスタンとの契約(総額159億元=約3200億円)を発表、8月には、タイ国鉄が貨車308両を約72.3億バーツ=約253億円で購入することを発表しています。
鉄道王国日本の鉄道車両製造会社は?
ひるがえって、鉄道王国であったはずの日本の鉄道車両製造会社は、国内の二強である日立製作所が鉄道事業売上約1700億円、川崎重工が鉄道事業売上約1500億円と、海外の強豪に規模的に遠く及びません。(もっとも、日立製作所は、今年2月に発表した、イタリアの防衛大手フィンメカニカ傘下にある鉄道関連2社買収により鉄道事業売上が約4000億円になる見通しです。)
「技術力では負けていないはずなのに世界の戦いでは勝てない」、幾度となく繰り返されてきた日本企業のパターンを繰り返さないための戦い方が問われています。